シメオネの戦術: アトレティコ・マドリード

昨日の4-4-2のフォーメーションの説明に続いて、今日はシメオネの戦術を見ていきたいが、それにあたって、彼のキャリアを振り返る必要があるだろう。

(プロフィール)
生年月日: 1970年4月28日(48歳)
出身地: ブエノスアイレス
身長: 177cm
主な所属クラブ: ピサ(90-92), セビージャ(92-94), アトレティコ・マドリード(94-97), インテル(97-99), ラツィオ(99-03), アトレティコ・マドリード(03-05)

選手として
セリエAを見て育ち、アルゼンチン代表が好きな身としては(南米の友達に言うと嫌われるが笑)、シメオネの存在は非常に大きい。なぜなら、90年代後半から2000年台にかけて、セリエAのタイトル争いは、ユヴェントスとACミランの実質2強だった。セリエAが1898年に創設されて以来、優勝1回のラツィオがそこに割って入ったのだ。シメオネはその当時のチームの一員だった。他にも、監督として、マンチェスター・シティやインテルでタイトルを獲得し、現在イタリア代表監督のロベルト・マンチーニや、ユーヴェでバロンドールを獲得したネドヴェド、イタリアの最高のディフェンダーの1人として挙げられるネスタ、プレイメーカーとして活躍したヴェロンなど後々のビックネイムが名を連ねていた。

イタリアサッカーやセリエAと言えば、カテナチオ(ゴールに鍵をかける)と呼ばれ、守備的なスタイルが主流で、サッカーも戦術的だった。ピサ、インテル、ラツィオとイタリアで8年間プレーしたシメオネも、監督として、その影響を受けている。

監督として
2011年にアトレティコ・マドリードの監督になり、リーグ(2013-14)やヨーロッパリーグ(2011-12, 2017-18)等のタイトルを獲得し、チャンピオンズリーグの決勝にも2回進んでいる(2013-14, 2015-16)。
(戦術の特徴)
・守備的、カウンター狙い
・組織化されたディフェンス
・ハードワーク
4-4-2のフォーメーションを取り、縦、横をコンパクトに保って、選手間の間を狭くして、プレーするスペースを消す。これにより、相手は中央でプレーするのが難しく、サイドでプレーせざるを得ない。

また、ストライカーの1人は、ミッドフィルダーの守備を助ける一方で(グリーズマン)、もう1人のストライカー(ジエゴ・コスタ)は、カウンターを仕掛けるボールを待ち構える。

シメオネの戦術のコンセプトは、リスクを最小限にする事。ディフェンス時においては、陣形が重要である。

プレスを仕掛けるタイミングは、相手のボールコントロールが大きくなってしまった場合と、相手がサイドでプレーした場合に積極的にプレスをかける。

一例を挙げると、サイドで相手がプレーすると、フルバックとワイドミッドフィルダー、ストライカーの1人がトライアングを形成して、ボールを持っている選手を囲む。これにより、相手は他へパスを出すのが難しくなる。

こうして、サイドでボールを奪取し、カウンターを仕掛けるが、そのカウンターも中央よりも、サイドからの起点が多くなる。攻撃は、ストライカーの個人の能力に頼って、打開する事が多い。

守備は規律を重視し、攻撃は個人の能力に頼るという組み合わせを取っている。

ヨーロッパリーグ準決勝第2戦のアトレティコ・マドリード対アーセナルのハイライトはこちら↓(約30MB)

ハイライトでは、ジエゴ・コスタが完全に個人で競合い、打開して、チャンスをつくっている所が見て取れる。得点シーンも、中央よりは、サイドでロングボールのこぼれ玉を奪い、早い攻撃で得点につなげている。

今回取り上げたのは、一例で、もちろん対戦相手や選手などにより、必ずしもこうなるとは限らない。