コヴァチがバイエルン・ミュンヘンの監督として適任な5つの理由

長谷部誠が所属するアイントラハト・フランフルトで指揮をとったニコ・コヴァチは、ハインケスからバイエルン・ミュンヘンの監督を引き継いだ。この監督指名に驚いた人もいるかもしれないが、これには、確かな理由がある。ここで5つの理由を紹介したい。

1. バイエルンのDNA
バイエルンのCEOであるルンメニゲは、コヴァチ監督について次のように語った。「ニコがバイエルンのDNAをよく知っているという事が重要だった。彼は、我々のクラブがどのように機能するかを知っている。」

それは、具体的に何を意味するのだろうか?
単純に言えば、2001年から2003年まで、コヴァチはバイエルンでミッドフィルダーとして、プレーした経験を持ち、クラブが常にトップであり続ける為のプレッシャーについても十分に認識している。そして、
すでにバイエルンのキーとなる人物達と関係がある。例えば、現在のスポーティング・ダイレクターである、ハサン・サリハミジッチと一緒にプレーした経験がある。また、コヴァチのアシスタントである弟も、バイエルンでディフェンダーとしてプレーしており、バイエルンの内部を熟知している。

また、ドイツ語が話せるというのも、クラブのアイデンティティを保ち、ドイツのルーツに忠実であり続ける為に、バイエルンが決定した要因の1つだった。コヴァチはクロアチアの移民として、ベルリンで生まれ育地、ドイツ語には問題ない。

2. スター選手を扱う事が出来る
バイエルンで指揮を取る上で、問題に上がる1つは、スター選手の集団を扱う事が出来るだけの気質があるかどうかである。例えば、リベリーやロッペンといったベテラン選手をベンチに置いておけるだけのパーソナリティがあるだろうか?ワールドカップで優勝しているボアティングといった、自分よりも選手としてのキャリアが上の選手達のプライドを損ねずして、休ませる事が出来るだろうか?

答えは、イエスである。2013年から2015年までのクロアチア監督時代には、レアルのモドリッチ、バルサのラキティッチ、元バイエルンのマンジュキッチといった選手達を扱ってきた。2010年の南アフリカ大会の出場権を逃したクロアチア代表を2014年のブラジルワールドカップへ導いた事が、スター選手を扱う事が出来るだけの資質を物語っている。

最近では、 コヴァチは、フランクフルトで、ACミランで活躍し、スクデットを取ったケヴィン・プリンス・ボアテングの力を最大限に引き出して見せた。バイエルンのボアティングの兄である彼は、気難しい性格で知られているが、2017/18シーズンにおける、フランクフルトのベストプレイヤーの活躍を見せた。リーグ戦で6ゴール、1アシストの活躍を見せ、ドイツの国内カップ戦、DFBボカール獲得に貢献した。

3. 選手を育てる事が出来る
レビッチ、ヨヴィッチ、グズマンといった選手達を2017/18シーズン開始前に聞いた事があっただろうか?攻撃では、レビッチは6ゴール、2アシスト、ヨヴィッチは8ゴール、1アシストの活躍を見せた。また、中盤では、グズマンがフリーキックや重要なパスを供給していた。こうした名前は、フランクフルトの躍進の一部のメンバーに過ぎない。

ボアティングは、コヴァチ監督の選手を育てる手腕について、次のように語っていた。「ニコ・コヴァチに指導を受ける選手にこうアドバイスをするだろう。準備をしておいた方がいいだろうね。たくさんの事をすることになるだろうけど、必ずいい選手になるだろう。それがコヴァチの際立ったところで、彼は、一人一人の選手を上達させる。」

バイエルンですでにハイレベルでプレーしている、キミッヒ、ジューレ、コマンといった若手をさらに成長させる事が出来るか、注目である。

4. 柔軟な戦術
昨シーズン、コヴァチは様々なフォーメーションを用い、選手の力を最大限に引き出した(主に、3-1-4-2及び3-4-1-2)。そのスタイルは、ダイレクトで、縦志向のフットボールで、積極果敢にボールを奪いに行くプレースタイルである。国内カップ戦では、格上のバイエルンやシャルケを、リーグ戦では、ライプツィヒを破り、ドルトムントと引き分けた。

サリハミジッチは、コヴァチについて次のように語った。「バイエルンは、選手達と共に、とても柔軟で、コヴァチは柔軟に取り組む事が出来る。我々は彼がバイエルンを助けてくれると確信している。だから、彼を雇ったし、とても賢い男で、ハードワーカーでもある。細かい事にも気を配る事が出来るし、革新的で、モダンなんだ。」

5. 成績
コヴァチがバイエルンの監督として、適任かどうかという議論で、危惧される事は、監督しての経験不足とタイトルの獲得だろう。国内カップ戦でバイエルンを破って、優勝したことで、多少はその疑念は晴れたかもしれない。

監督としての成績を見てみると、コヴァチは、16位と降格争いしていたフランフルトを翌年には、11位に導き、昨シーズンは、8位で終えた。引き継いだ当時のチームの勝ち点は、36点だったが、昨シーズンは、49得点で、一時は、リーグ4位につけるほどだった。また得点数も34点から45点へと改善した。

ハインケスは、コヴァチについて次のように語っていた。「彼は頭の良い男で、コミュニケーションをよく取る事が出来る。誰だって、小さい事が始めるが、彼の指揮しているチームは上手く機能している。その事が重要で、貴重なんだ。だから、(バイエルンでも)きっと上手くいくだろう。」