今シーズンのモウリーニョは何かが違う!?

ジョゼ・モウリーニョは、プレシーズンから嘆いていた。ワールドカップで、主力選手不在のままのアメリカ・ツアー。移籍市場で、マンチェスター・ユナイテッドは、ディフェンダー獲得の為に、アトレティコ・マドリードのゴディン、バイエルン・ミュンヘンのボアテング、トッテナムのアルデルヴェイレルト、レスターシティのマグワイアといった選手達の獲得に動くも、結局、誰1人として獲得できなかった。昨シーズンのマンチェスター・シティとの勝ち点差19を考えれば、主要な補強が、引退したキャリックの後釜とされる中盤のフレッドだけというのは、明らかに不十分でだろう。そうした不満をあらわにする一方、モウリーニョは、タイトルを獲得しなかった昨シーズンを「キャリアの中で、最も大きな業績の1つ」とレスターシティとの対戦前の記者会見で語っていた。

モウリーニョは、監督就任2年目にリーグタイトルを獲得するのがおきまりのパターンだった。それをポルト、チェルシー(2回)、インテル、レアル・マドリードで達成してきた。マンチェスターでの1年目を6位で終え、競争が激化するプレミアリーグで、昨シーズンのモウリーニョには、かなりのプレッシャーもあった事だろう。そして、同じ都市のマンチェスターの監督であるシティのグアルディオラと比較されて、批判された。グアルディオラは攻撃的なサッカーで、選手を育て、選手の良さを引き出すが、モウリーニョは、守りのサッカーで、若者の才能を殺し、育てる事ができないといった類の批判である。ボグバがその一例に挙げられた。昨シーズンのボグバ(当時24歳)は時折、輝きを見せるも、怪我などもあり、ユヴェントスで活躍していたような活躍はできずにいた。トッテナム戦におけるタッチラインでのボグバとの議論は”不仲説”と囁(ささや)かれた。近年、モウリーニョは、4-2-3-1のフォーメションに固執してきたが、「4-3-3のフォーメションの方がボグバが活きる」と元マンチェスター・ユナイテッドで、解説者のポール・スコールズから指摘され、シーズン終盤には、4-3-3にフォーメションを変更した程だった。そして、最終的には、リーグ戦を2位で終え、タイトル無しでシーズンを終えた。

モウリーニョの監督在任期間は、3年以上続かないが、定説である。そして、冒頭の嘆きに相まって、”モウリーニョはシーズン前に解任され、ジダンがマンチェスター・ユナイテッドの監督になるのでは?”と噂されたほどだった。では、今シーズン3目年目を迎えるモウリーニョはこれまでと何が違うのか?

ルイ・ファリアの存在
モウリーニョは「自分の後継者は誰か?」との質問に、「アシスタントマネージャー(ルイ・ファリア)」と答えていた。「(ファリアは) 試合に対する見方も似ている」とモウリーニョ本人が語ったほどだ。ファリアはファン・ハールの下で働いていたモウリーニョとバルセロナで知り合うと、連絡を取り合い、2001年にモウリーニョが ウニオン・レイリアの監督に就任すると、アシスタント兼フィットネスコーチに任命された。以後、モウリーニョの右腕として、タイトル獲得に貢献してきた。熱く、激しい口調になるモウリーニョの下、時には、監督とチームの間に入り、仲介役としての役割もこなせるファリアをモウリーニョは手放したがらなかった。そして、ファリアの責任も次第に大きくなり、モウリーニョは一部のトレニーングには、顔を出さないほどだった。17年
、ファリアはモウリーニョを支えてきたが、昨シーズンのFA Cup決勝でチェルシーに敗れ、タイトルを逃すと、アシスタントを辞任した。今シーズン、モウリーニョはこうした状況にも適用しなくてはならないと語っている。こうしたファリア不在の影響は肯定的であれ、否定的であれ、必ずあるはずである。

長期政権を目指して
モウリーニョがレアル・マドリードの監督からチェルシーの監督に復帰した時には、モウリーニョは長期政権を目論んでいた。しかし、3年目には、選手との仲違い説も囁かれ、成績が思うように振るわず、解任された。そして、マンチェスター・ユナイテッドでもそれを目論んでいるが、モウリーニョ本人も、近年のフットボールにおいて、ヴェンゲルほどの長期政権は難しいと語っている。ただその為には、補強不足でも、リーグ、チャンピオンズリーグ、カップ戦で昨シーズン以上の結果が求められる。

8/11 (土)(日本時間)に行われたレスターシティ戦では、昨シーズン、ずっとヤングの控えで、批判を浴びせたルーク・ショーをスタメンで起用した。そのルーク・ショーが2得点目を決めると、ベンチでスタッフと共にそれを喜んだ。そして、試合終了後のインタビューでも、「彼のパフォーマンスは完璧だった」と褒めたのだ。また、怪我のマティッチ、エレーラに代わって、フェライニではなく、バレンシアのローンから帰ってきた22歳のアンドレアス・ペレイラを起用したのだった。ペレイラは、91%のパス成功率を叩き出し、ボールを上手くさばいた。また、バイリーとリンデロフという、昨シーズンほとんど一緒にプレーしなかった2人をセンターバックで起用した。モウリーニョは信用した選手を使いたがる傾向があるが、コンディションを見極めてか、今までとは、違った起用をしたようにも見える。ワールドカップの優勝に貢献したポグバにキャプテンを託したのも、功を奏し、ポグバはPKから得点した。ポグバは、直前までバカンスに出ており、練習不足と見られていたが、モウリーニョはポグバのパフォーマンスを”モンスター”と褒めた。

レスターシティ戦のハイライトは↓(60M)

今シーズンのモウリーニョは何かが違う。そう思わざるを得ないのは気のせいだろうか!?