プレミア開幕戦: トップ6のスタッツ

プレミアリーグが他のリーグと比べて、一足早く開幕した。プレミアリーグの行方を占う上で、Top6(マンチェスター・シティ, マンチェスター・ユナイテッド, トッテナム, リヴァプール, チェルシー, アーセナル) の結果とスタッツを振り返って見たい。

マンチェスター・ユナイテッド
プレミアリーグの開幕戦初戦を飾ったのは、マンチェスター・ユナイテッドがレスターシティをオールド・トラッフォードにむかえての一戦だった。

スタッツを見ると、ポジェッション、シュート数共に、アウェイのレスターが上回ったが、枠内シュート数は、マンチェスター・ユナイテッドが上回り、枠内シュート成功率は、マンユーが75%とレスターの倍以上。

プレッシャーがかかった状態で、枠内にシュートを打っても、昨シーズンのゴールデングローブを獲得したデ・ヘアが待ち構えて、セーブする為、マンチェスター・ユナイテッドの思惑通りにいった試合と言っても、過言ではない。


この試合のマン・オブ・ザ・マッチを獲得したのは、キャプテンを任され、PKから先制点を決めたボグバだった。

ポグバのスタッツを他の2人のミッドフィルダーと比較すると、ボグバがドリブルで仕掛ける等、攻撃が目立ち、また、191cm という持ち前の体格を活かして、デュエルでも他の2人に優っている。ペレイラとフレッドは、インタセプト数で、ボグバを上回っている。また、この2人のパス成功率が高く、タックル等での守備の貢献と、ボールを上手くさばいているという事が伺える。

 

トッテナム
トッテナムは、アウェイでニューカッスルと戦った。トッテナムは前半早々にフェルトンゲンのヘディングで先制するも、その3分後にニューカッスルにすぐさま同点にされる。だが、18分にアリのゴールで逆転に成功し、スコアラインとして、このまま試合を終了した。武藤は、81分に途中出場したが、シュートを打つ事なく終わった。

武藤がいるニューカッスルは、移籍市場において、選手獲得よりも、選手売却が目立ったかたちとなった。そんな影響もあってか、この試合の枠内シュート成功率が、13.3%とかなり低いと言わざるを得ない。守備では、ニューカッスルがデュエル成功率でトッテナムを上回った。トッテナムは夏の移籍マーケットで補強を行わなかった。よって、今シーズンは、チームとしての成熟度が問われる事になるが、枠内シュート成功率や、パス成功率は、他のトップチームと比べて、物足りなさを感じる。

この試合で、マン・オブ・ザ・マッチを獲得したのは、先制点を決めたフェルトンゲンだった。同じディフェンダーのサンチェスとスタッツを比較してみたい。先制点を決めたフェルトンゲンだが、それをお膳立てしたのは、サンチェスでもあった。そのサンチェスは、パスの供給に関しては、93%とかなり高い数字を叩き出し、フェルトンゲンを上回る。だが、一方の守備を見ると、デュエル成功率、タックル成功率、インターセプト数といずれも、サンチェスを上回る。まさしく、攻守において、活躍したフェルトンゲン。フェルトンゲンは、昨シーズンのPFAの年間ベストイレブンに選ばれており、その好調を維持している(昨シーズンのスタッツはこちらから)。

 

 


リヴァプール
ユルゲン・クロップ監督は、ウエストハム戦後、予想した以上に良かったとコメントした。スタッツを見ても、ウエストハムは、枠内シュート数は2で、新戦力アリソンの見せ場はほとんどなかった。ウエストハムの全体としてのパス成功率は82.8%だが、相手自陣に入ると、67.4%まで落ち(自陣は92%)、リヴァプールほど攻めの形は作れなかった。というより、リヴァプールが攻めの形をつくらせなかったと言ってもいいだろう。一方のリヴァプールは、90%とかなり高いバス成功率を叩き出している。自陣内では96%とほとんどミスがなく、相手陣内でも82.6%という数字を維持し、その結果、シュートチャンスを多く作り、シュート数は、ウエストハムの3倍以上を打った事になる。

 

 

この試合のマン・オブ・ザ・マッチは、2得点を決めたマネだった。他の2人の攻撃陣である、フィルミーノとサラーとスタッツを比較して見てみたい。特にマネが良い数字を叩き出しているわけではないが、この3人が均等に得点チャンスに絡んでいるのが、やはり特徴だろう。それが昨シーズンのチャンピオンズリーグのチームの中で、最多得点を挙げた理由でもある。フィルミーノがシュートがなかったのは意外だが、マネの得点をアシストでお膳立てしている。昨シーズン得点王のサラーも得点し、上々のスタートを切った形だ。

 

 

チェルシー
パスサッカーを掲げるサッリ監督の初陣だったが、パス成功率はやはり88.4%と高いものとなった。ポジェッションも約6:4となった。また、PKも含まれているもの、枠内シュート数4で、そこから、3得点しているというのもある意味効率が良い(枠内シュートに対するゴール数は75%)。また、守備では、枠内シュート数を1に抑え、相手に決定的なチャンスをほとんどつくらせなかった。

ハダースフィールド相手に良い試合をしたものの、まだジョルジーニョを中心としたパス回しのサッカーにはなっていないようにも見える。サッリも、ベストのコンディションに持っていくのには、2ヶ月程度かかるだろうと語っている。また、開幕戦前に、コミュニティ・シールドで、マンチェスター・シティと対戦した時には、2-0と敗れ、王者との力の差はあるといったところか(この時は、アザールは不在だった)。


この試合で、マン・オブ・ザ・マッチに選ばれたのはカンテだった。カンテのスタッツを他の3人のミッドフィルダーと比較してみたい。カンテは、攻撃では、ボレーから得点し、先制点を奪った。小柄なカンテは、デュエルでは、他の2人の選手と比べると、強いとは言い難いが、その分、パスコースを切ったり、インターセプトで守備に貢献している事がスタッツからも伺える。ナポリでパスサッカーの舵取りしたジョルジーニョのパス成功率94%は、ミッドフィルダーの選手としては、脅威的である。3選手とも、攻守において、バランス良く貢献しているといったところだろうか。

 

アーセナル  VS  マンチェスター・シティ
この試合で印象的だったのは、1点ビハインドで、アーセナルに流れが傾いた時に、アーセナルはチャンスをものにできず、結果として、シティに2得点目を決められてしまった事だ。ボゼッションでは、アーセナル対シティが約4:6だったが、デュエルでは、アーセナルに部があった。やはりシティは、デュエルが強くないというのがスタッツで如実出ている。シティはたくさんチャンスを作るが、枠内シュート数に対するゴール数では、ユナイテッド、トッテナム、リヴァプール、チェルシーよりも低い(枠内シュート数に対するゴール数は25%)。また、アーセナル戦という事もあってか、パス成功率もそこまで高くなかった。もちろん、この日控えだったサネやデ・ブライネが出場していたら、スタッツの数字も、もっとよかったかもしれない。アーセナルは、エメリ監督体制で、スタイルを確立するのに時間がもう少しかかるだろう。

この試合のマン・オブ・ザ・マッチは、スターリングだった。スターリングを他の攻撃陣のスタッツと比較してみたい。スターリングが前半約14分にドリブルで切り込み、やすやすと先制を決め、ベルナルド・シルバが追加点を奪った。上記で、枠内シュート数に対するゴール数が低いと記載したが、この2人の枠内シュート率が100%というのは恐ろしい。そして、スターリングは、得意のドリブルで仕掛け、ドリブルからチャンスを他の2人よりも作っていた(成功ドリブル回数3回)。パス成功率では、マフレズが3人の中で、一番高かったが、グアルディオラ監督は、オフサイドになったマフレズのプレーに不満そうだった。

 

 

全体の印象としては、コミュニティ・シールドでチェルシー2-0でを破り、リーグ戦のアウェイでアーセナルを破った、マンチェスター・シティがチームの成熟度としては、一歩抜きに出ているように思える。また、ウエストハムを4-0で破ったリヴァプールも、ケイタなどの新戦力加入にも関わらず、パス成功率、枠内シュート数、ゴール数で高い数字を出しており、クオリティが高いように思う。この2チームに続くのが、マンチェスター・ユナイテッドとトッテナムではないだろか。新監督をむかえたチェルシーとアーセナルは、いかに早くスタイルを確立をするかにかかっているかもしれない。