ストーリー: アッレグリのルネサンス

アッレグリはユヴェントス・ファンから望まれていない監督だった。アントニオ・コンテがリーグ3連覇を成し遂げ、2014年の夏にユヴェントスの監督を去り、ユーヴェはアッレグリを次期監督として任命した。しかし、ユーヴェファンは彼の車を蹴り、唾を浴びせ、卵を投げつけたほどで、歓迎とは程遠かった。だが、監督就任から4シーズンが経ち、ファンや当時の批評家達も自身の誤りを受け入れざるを得ないだろう。4シーズンで、4度のセリエA制覇、4度のコッパ・イタリア獲得、2度のチャンピオンズリーグ決勝進出。彼以上の事を成し遂げた監督がこの4シーズンで他にいるだろうか?

トップへの階段: カリアリ時代 (2008-10)
アッレグリが監督してのキャリアのトップへ駆け上がるきっかけとなったのは、ACミランの前に監督を務めたカリアリだった。前年度にサッスオーロをセリエCからBへと昇格させ、セリエAの監督に抜擢された2008-09シーズン開幕戦で、いきなり5連敗を喫し、監督解任の窮地に立たされた。だが、クラブ側の寛容さもあり、次の17戦で3敗のみにとどめ、ラツィオやユーヴェ相手に勝利を収める。そして、9位でシーズンを終えた。この成績は、カリアリの過去15年間の中で最も良い成績だった。この功績が評価され、年間監督賞まであと一歩のところだったが、インテルで優勝したモウリーニョにその座を奪われた。

ACミラン時代 (2010-14)
アッレグリのACミランでの任期は、最悪な形で幕を閉じた。2014年、アウェイでサッスオーロに4-3で敗れ、順位は11位で、トップとの勝ち点差は、30点まで離されていた。だが、2010-11シーズンからACミランを率いたアッレグリ時代が全てネガティブだったわけではない。彼は、就任1年目(2010-11)からイブラヒモビッチ、ネスタ、チアゴ・シウバ、セードルフ、ピルロ、
ガットゥーゾ、ロビーニョ、パトといった選手達と共に、7年ぶりのスクデットを獲得した。これがユヴェントス以外のチームがスクデットを獲得する最後のチームでもあった。2011-12シーズンは、コンテ率いるユーヴェとの勝ち点差4で、スクデットを逃した。この年、ミランはピルロを放出し、ユーヴェが彼を獲得したが、結果的にピルロの活躍がリーグの勝敗を分けたかたちでもあった。2012-13シーズンのミランは更に順位を落とし、3位という結果だった。だが、この当時のアッレグリの功績を評価する者は少ない。ベルルスコーニのコスト削減の意向もあり、イブラヒモビッチ、ネスタ、チアゴ・シウバ、セードルフ、ガットゥーゾといった主要な選手達が開幕前にチームを去ったが、そのチームを立て直してみせたのだ。そして、2014年の11位という成績不振につながるわけだが、この頃から、ACミラン自体の問題の深さも露呈しており、アッレグリだけに非があるわけではないだろうが、直後に彼をコンテの後釜として、選んだ事に対して、ユーヴェファンは辛辣だったわけだ。

ユヴェントス時代(2014-現在)
アッレグリはユヴェントスの監督になると、初年度(2014-15)からいきなりリーグタイトル並びに国内カップを獲得し、チャンピオンズリーグの決勝にも進出した。コンテが作り上げたチームを壊すのではなく、それを基にして、チームに2つの変化をもたらした。1つ目が戦術的な柔軟性で、状況に応じて、3バック(3-5-2)と4バック(4-2-3-1)を採用した。もう1つは、試合のテンポを落とし、ポジョセッション重視のスタイルに切り替えたのである。そして、徐々に自分のスタイルである4バックへと移行していった(4-2-3-1, 4-4-2, 4-3-3)。こうした戦術的な柔軟性は、選手により自由を与え、創造性を発揮出来るだけでなく、攻撃時には、ミッドフィルダーの選手がペナルティーエリアへ走り込む事を可能にした。フットボールの分析家でもある、ガリアルディは、アッレグリの戦術について、2016年にこう分析していた。「ディフェンス時は5-4-1で守ったかと思えば、プレスをかける時は、4-4-2のフォーメーションで、攻撃時には、4-2-3-1のフォーメーションに切り替える。フットボールのフォーメーションの未来は、もっと柔軟になるだろう。」2シーズン目のアッレグリ体制は、ピルロ、テベス、ビダルといった選手を失い、シーズン序盤でつまづき、10月時点で11位まで低迷するも、その後、25試合中24戦負けなしと、見事に立て直し、結果的には、スクデットを獲得して賞賛を浴びた。2016-17シーズンは、主に4-2-3-1を採用し、センターフォワードであるマンジュキッチを左のウィンガーや攻撃的ミッドフィルダーとして配置した。中央ではなく、ワイドエリアで、マンジュキッチのようなターゲットとなる選手を配置したのは、類稀でもある。そして、この年もリーグタイトルと国内カップを獲得し、チャンピオンズリーグの決勝に進出したが、レアル・マドリードに敗れた。また、昨シーズンも
チャンピオンズリーグの準々決勝でレアル・マドリードに敗れた。

セリエAで無敵のユヴェントスであるが、過去の歴史の中でもチャンピオンズリーグは2回しか優勝できていない(最後は1996年)。過去20年間で、4回の決勝に進出するも、いずれもタイトルを獲得できておらず、こうしたタイトルへの期待は高まるばかりであろう。チャンピオンズリーグの歴代得点王でもあるクリスチャーノ・ロナウドをレアル・マドリードから獲得し、アッレグリがチャンピオンズリーグも制覇する事が出来るか注目である。

【プロフィール】
本名: マッシミリアーノ・アッレグリ
生年月日: 1967年8月11日(51歳)
国籍: イタリア
出生地: リヴォルノ
<主な監督クラブ>
サッスオーロ(2007-08), カリアリ(2008-2010), ACミラン(2010-14), ユヴェントス(2014-)
<主なタイトル>
セリエA 5回(2010-11, 2014-15, 2015-16, 2016-17, 2017-18), コッパ・イタリア 4回 ( 2014-15, 2015-16, 2016-17, 2017-18)
<主な個人賞>
セリエA年間監督賞3回(2011, 2015, 2016) 等