ストーリー:ブッフォン 諦めきれないチャンピオンズリーグの夢

2016-17シーズンのチャンピオンズリーグ準決勝モナコ戦の後、ブッフォンは、喜びを隠しきれず、ユヴェントス・ファンとしばらく喜びを分かち合った。当時39歳のブッフォンには、引退したくても、引退しきれない、理由があった。セリエ Aのパルマとユヴェントスに在籍し、数々の賞やタイトルを獲得してきた。サッカー選手の夢である、4年に1度のワールドカップも優勝した。だが、1つだけ届きそうで、届かないタイトルがあった。それが、ヨーロッパの最高峰を決めるチャンピオンズリーグのタイトルである。2003年、2015年には、決勝に進みながら、あと一歩のところでACミランとバルセロナに敗れた。そして、モナコを破り、3度目となる決勝に進出したのだった。

ブッフォンがフットボール史上、最も偉大なゴールキーパーの1人である事に異論を唱えるものはいないだろう。伝統的に、守備が堅守のイタリアサッカーにおいて、セリエAの年間ゴールキーパー賞を12回も獲得している。UEFA(ヨーロッパサッカー連盟)のチーム・オブ・ザ・イヤーも5回受賞。ブッフォンの人気は、並外れており、イタリアだけでなく、世界的なものでもある。人の心を惹きつける彼の誠実さ、爽やかな率直さは、才能と相まって、人々から愛されるフットボーラーの所以でもある。

彼の選手寿命は長い。17歳の時にパルマでプロデビューしてから、40歳になった今、出場試合数は、1,000試合を超える。選手として、トップレベルで長続きする秘訣を聞かれると、最終的にチャンピオンズリーグのトロフイーを掲げる事への憧れが彼の中で重要な役割を占めている事を認めた。「何年にも渡って、何がプレーし続ける事を駆り立てるのかを自分自身に問い続けてきた。もしチャンピオンズリーグをすでに獲得していたら、今頃、気力を無くしていただろう。まだそのタイトルを獲得する為にいるという事実が自分を突き動かしている。」2016-17シーズンのチャンピオンズリーグ決勝に進んだユヴェントスは、決勝でレアルマドリードに敗れた。

鮮烈なデビュー
ブッフォンは、円盤投げの記録保持者の母親と、ジュニアの部で砲丸投げのチャンピオンになり、重量挙げの選手だった父親のスポーツ一家に生まれ
た。セリエAのパルマで、若干17歳でデビューしたブッフォン。そのデビューは鮮烈だった。若いにもかからず、異様なほどの
成熟ぶりを見せていた。バロンドールを獲得したイタリアのファンタジスタ、ロベルト・バッジオのシュートをことごとくセーブし、この年のセリエA王者になったACミランを無失点に抑えたのだ。イタリアの偉大なゴールキーパーである、ディノ・ゾフは、ブッフォンの活躍についてこう語っていた。「彼が見せたパーソナリティや質の高さに匹敵するデビュー戦を今まで見た事がない。」

ブッフォンのデビュー戦の動画は↓

アーセナルのチェフは、かつてブッフォンの事を、「彼の登場が、ゴールキーパーという職業の全てを変えた。」とまで言わしめた。元レアルマドリードのゴールキーパーで、現在ポルトに所属するカシージャスは、ブッフォンについて次のように語った。「彼は、自分と同世代の全てのキーパーのベンチマークだね。彼のようになるのが夢だったし、対戦する時はいつでも光栄だった。」そうした若いブッフォンの才能をビッククラブが放っておくはずもなく、2001年(当時23歳)でユヴェントスへ移籍した。

苦難を乗り越え、ユーヴェの象徴へ
だが、試合での彼の自信や落ち着きとは裏腹にブッフォンにも苦悩があった。
2003-04シーズンのチャンピオンズリーグ決勝で、PK戦の末、ACミランに敗れ、その後、うつ病になったのだ。ブッフォンはうつ病について次のように語った。「薬を取らない事が重要だった。薬に頼らないでいる事で、自分自身の運命を決める事が出来る。友達と話す事で、そこからの抜け道を見つけようとした。うつ病は誰にでも起こりうる。」

困難を乗り越えた後には、イタリアサッカー界を揺るがす、八百長スキャンダルがブッフォンを襲った。所属するユヴェントスが八百長に関与したとして、処罰を受け、2部に降格。チームメイトのカンナバーロ、テュラム、ビエラ、イブラヒモビッチが他のチームに移籍する中、バルセロナ等、他のチームに移籍する事も出来たが、彼はそれを拒んだ。

そして、2007-08シーズンにセリエAへ復帰し、昨シーズンは、2011年から続く7年連続のリーグタイトル獲得に貢献し、17年間在籍したユヴェントスに別れを告げたブッフォン彼は、ユヴェントス、そして、ユヴェントス・サポーターの象徴でもある。

ブッフォンがクラブを去ることになり、ユヴェントスの公式Youtube チャンネルが、ブッフォンのユヴェントスでのTop10セーブをまとめていた。2017年のチャンピオンズリーグのバルセロナ戦でイニエスタのシュートセーブは、未だに鮮明な記憶として残っている。

また、UEFAもブッフォンに敬意を表し、ブッフォンのベストセーブをまとめていた。個人的には、ユーロ2016でのドイツ戦でのセーブは未だに忘れられない。

ブッフォンは、ヨーロッパ以外に移籍するとも見られていたが、今シーズン、ユーヴェからパリ・サンジェルマンへのサプライズ移籍を果たした。ネイマールや、ムバッペといった才能ある選手がいるパリ・サンジェルマンで、彼のチャンピオンズリーグへの夢はまだ終わっていない。

最後にブッフォンのパリ・サンジェルマンでの神がかったセーブの動画で終わりにしたい。

プロフィール
本名: ジャンルイジ・ブッフォン
国籍: イタリア
出生地: カッラーラ
生年月日:1978年1月28日 (40歳)
身長: 192cm
ポジション: ゴールキーパー
<主な所属クラブ>
パルマ(1995-2001), ユヴェントス(2001-18), パリ・サンジェルマン(2018-)
<主なタイトル>
セリエA9回(2001-02, 2002-03, 2011-12, 2012-13,2013-14,2014-15, 2015-16, 2016-17, 2017-18), コッパ・イタリア5回(1998-99, 2014-15, 2015-16, 2016-17, 2017-18), ワールドカップ(2006)等々
<個人受賞歴>
FIFAベストゴールキーパー(2017), セリエA年間最優秀選手(2016-17) 等

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