レアルでのロペテギの戦術

2018-19シーズンのレアル・マドリードは、レアル歴代得点王のクリスチャノ・ロナウドがユヴェントスへ移籍し、ジダン監督がチームを去る一方、レアルと内密に契約した為にスペイン代表監督を電撃解任されたロペテギを新監督に迎え、チェルシーからワールドカップでゴールデングラブ賞を獲得したクルトゥワ等が加わり、新たな船出となった。9月16日(日)の時点で第4節を終え、今週、ローマとのチャンピオンズリーグも控えていることから、ロペテギのプロフィールと戦術、レアルのスタッツを紹介したい。

ロペテギの戦術を紹介するにあたって、彼の監督してのプロフィールを見ておきたい。
【プロフィール】
名前: フレン・ロペテギ・アルゴテ
国籍: スペイン
生年月日: 1966年8月22日(52歳)
選手時代のポジション: ゴールキーパー
<主な監督経験>
スペイン U-17 アシスタント(2003),  ラージョ・バジェカーノ(2003), レアル・マドリードB (2008-09), スペイン U-19(2010-13), スペインU-20(2010-14), スペイン U-21 (2012-14), ポルト(2014-16), スペイン(2016-18), レアル・マドリード(2018-)
<監督としてのタイトル>
UEFA U-19欧州選手権 (2012), UEFA U-21欧州選手権 (2013)

2012年のU-19欧州選手権では、チェルシーのアリサバガラ、バルセロナで、ドルトムントへレンタル中のアルカセル、ACミランのスソらを率いて優勝。
2013年のU-21欧州選手権では、マンチェスター・ユナイテッドのデ・ヘア、バイエルン・ミュンヘンのチアゴ・アルカンタラ、アトレティコ・マドリードのコケ、チェルシーのモラタ、バレンシアのロドリゴ、そして、レアル・マドリードのイスコを率いて優勝した。こうしたメンバーは、ロペテギがスペインのフル代表を率いた時にもお馴染みのメンバーだった。特にイスコは、スペインのポジェッション・スタイルのフットボールに欠かせない存在だった。

【戦術】

第3節 レガネス戦
第2節ジローナ戦

ロペテギは主に4-3-3と4-2-3-1のフォーメーションを用いている。ワールドカップの影響もあり、クルトゥワ、ヴァラン、モドリッチがスタメンでない事もあったが、第3節レガネス戦の4-3-3がベストのメンバーであろう。第2節のジローナ戦では4-2-3-1を用いて、中盤の底にクロースとカジミロを配置し、トップ下にイスコを起用した。これもオプションの1つと言える。ジダン監督の下、イスコは、ミッドフィルダーと攻撃陣をつなぐ重要な選手だったが、ロペテギ監督の下でも重要な選手に変わりはない事は前述の通りである。

ロペテギは、レアルでもポゼッション重視のスタイルを貫く。その中核で、ゲームのテンポをコントロールするのは、クロースである。第1節のガタフェ戦では、4-3-3のフォーメーションで、イスコとダニ・セバージョスと共にコンビを組み、中盤の底で、ゲームをコントロールし、パス成功率は驚異の98%を記録した。

4-3-3では、ベンゼマが下がって、ミッドフィルダーからのボールを受けて、攻撃につなぐ事もある。ベンゼマはロナウドに比べて、得点が目立たず、批判されてきたが、ボールから離れたところでの動きやボールをつなぐ役割で貢献する(写真は、ベンゼマが下がって、アセンシオの為にスペースを空けた動き)。だが、ロナウドが去った後は、今シーズンここまで4試合4得点と、ゴールでも貢献している。ロペテギは攻撃の選手に自由を与えており、アセンシオとベイルは、ドリブルで中に切れ込んだり、ゲームの流れ次第で、サイドチェンジする。マルセロとカルバハルが高い位置まで攻め上がるスタイルは以前と変わらない。イスコとモドリッチの役割は、サイドの選手(フルバック、ウィンガー)とボールをつなぎ、ペナルティエリア内へ決定的なパスを供給する役割を担っている(現状、イスコとモドリッチの両選手が同時にスタメンになる事はない)。

ディフェンス時には、高い位置から積極的にプレスをかけて、相手のデイフェンスを後退させると共に、ミスを誘発させるか、ロングボールを蹴らせようとする狙いがジローナ戦等で見て取れた。

4-2-3-1では、マルセロ、カルバハルが攻撃に参加すると、クロースの負担が大きくなってしまうという懸念がある。

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レガネス戦のハイライトは↓(14MB)

 


【スタッツ】

第4節まで終え、3勝1引き分け。スタッツはグラフィックの通り。ゴール数はここまで11ゴール(1試合あたり2.8得点)で、バルサ(14得点)の次に高い得点力になる。ポゼッションスタイルのサッカーをしているだけあって、ボール支配率も70%と高い。パス成功率90%も驚異的な数字である。初戦以外は毎試合失点しているのが、少し気がかりでもある。