戦術: ポジショナルプレー

ポジショナルプレーの主なコンセプトは、ピッチで優位を作る事である。その優位は3つある。1つはポジション(位置)における優位、2つ目は数的優位、3つ目は、質的な優位である。その哲学を貫いている最も有名な監督はマンチェスター・シティのグアルディオラ監督である。グアルディオラはその哲学をバルセロナやバイエルン・ミュンヘンでも実践した。位置的優位とは、例えば、ディフェンスとミッドフィルダーの間にできた開いたスペース(有利な場所)等でボールを受けれる事である。数的優位とは、例えば、相手ディフェンダー2人に対し、3人の攻撃選手で攻めれる事である。質的優位とは、選手の質の事で、例えば、メッシが相手と1対1の状況を作れれば、得点チャンスは生まれやすい。

フアン・マヌエル・リージョ(ヴィッセル神戸の監督に就任)はグアルディオラに最も影響を与えた1人として知られているが、リージョはポジショナルプレーについて次のように語っている。「ポジショナルプレーの基本的な考え方は、外に開いた選手(一般的には、ウィンガー、もしくは、サイドバック/フルバック)へパスを出せるように、選手達が狭いスペースでパスし合う事だ。」

だが、ポジショナルプレーを実践する為には、多大な努力を要する。マンチェスター・シティは2年目にこそ、2位のマンチェスター・ユナイテッドと圧倒的な差をつけて優勝したが、アグエロ、デ・ブライネ、ダビド・シルバといったトップ選手をもってしても、ペップ(グアルディオラのあだ名)の1年目は、タイトルには及ばなかった。

グアルディオラはポジショナルプレーを実践する為に細くピッチを分けて解釈する。この分けられたピッチで、横方向には、最高で3人までが、縦方向には、最高2人までの選手が並ぶ事が許される。こうした基準で選手が配置される為に、グアルディオラにとっては、あまりフォーメーションは重要ではない。それよりも、位置的な優位を確保する為に、選手が柔軟に動き回る。この原則に基づく事で、ピッチで選手が常にトライアングル(三角形)を形成する事ができ、パスを回しやすくなる

グアルディオラのチームで「キーパーがなぜ重要か?」と言えば、これも後方から数的優位を作る為である。相手チームの2人が、センタバック2人にプレスをかけてきた場合、ゴールキーパーを使う事で数的優位が生まれる。

グアルディオラはポジショナルプレーの目的について、次のように語っている。
「目標は、相手を動かす事だ。ボールを動かす事ではない。」

関連記事↓
戦術: 攻撃と守備戦術の基本