戦術: なぜハーフスペースが重要なのか?

今日は、簡単ながら、「なぜハーフスペースなのか?」について、書いてみたい。ハーフスペースは戦術を理解する意味でも重要なエリアである。だが、ハーフスペースについて、インタビュー等で監督が口にするのは、マンチェスター・シティのグアルディオラやリヴァプールのクロップぐらいではないだろうか。グアルディオラは、バルセロナやマンチェスター・シティでハーフスペースを使い、相手を攻略してきた。

選択肢
攻撃時には、フィールド中央では、選択の自由が大きい。ラインもないので、ボールを8つの方向へ(前、後ろ、左、右、斜め・対角線(ダイアゴナル)4方向)パス、あるいは、ボールを動かす事が出来る。だが、通常、中央は密集している。ウィンガーのポジションでは、ラインがある為、5つに制限される(前、後ろ、右もしくは左、斜め2方向)。この為、プレーできるスペースは限られ、パスもより正確でなければならない。一方、ハーフスペースでは、ウィンガーと違い、ラインがない為、中央の選手と同じだけの選択肢があり、中央よりもスペースがある。

視野
ピッチ中央では、視野はゴールに対して、垂直である(写真の通り)。もし仮に選手が、ピッチの中央から50m先を見る事が出来たら、その焦点は、通常、ゴールか、ゴール近くのスペースに向けられる。

 

 

一方、ハーフスペースでは、ゴールに対して、斜め・対角線である(写真の通り)。パスを出す時でも、常に対角線上にゴールがある。選手がハーフスペースからゴールを斜めに見た場合、ピッチ中央と比べて、よりも多くの空いているスペースに目が行くことになる。また、ピッチの中央よりラインに近い為、後ろからプレスを受ける危険性は、中央に比べて少ない。

中央は通常、密集している統率されたスペース、ハーフスペースは他のエリアへとつなぐスペース、ワイドスペースは突破する為のスペースとも言う事が出来る。

パス・攻撃
敵の動きに対して、斜め(ダイアゴナル)のパスは、縦や横パスよりも有利に働く。縦や横パスよりも、斜めのパスの方が敵からのプレッシャーを回避でき、
パスを防ごうとする敵の動きも単純に縦や横のパスを出すよりも、斜めに出した方が、より複雑になり、対応しづらい。

ハーフスペースに選手がいる事で、中央のディフェンスを広げる事が出来る(例えば、中央からハーフスペースをパスを出した場合)。また、ハーフスペースは、センターバックとサイドバックとの間に出来やすい隙間でもある。その為、攻撃時にハーフスペースを攻める事は有効である。サイドチェンジでは、中央から出すよりも、ハーフペースから、もう1つのハーフスペースへサイドチェンジをした方が、攻撃の選択肢を維持しつつも、相手ディフェンスが対応するのに時間がかかる為、攻撃に有効である。

ディフェンス
ディフェンス時にも、ハーフスペースは有効である。一例を挙げると、
相手は、ボールを持つと、キープする為に広がろうとする。この時、相手陣内でハーススペースから、パスコースをカバーしながらプレッシャーをかけることで、中央で囲い込んでボールを奪い、すぐさまカウンターに移る事が出来る(写真の通り)。もしくは、ハーフスペースから、タッチライン際へ追い込む事も出来る。

こうして相手陣内でボールを奪う事で、すぐにカウンターに移る事が出来る。

ハーフスペースをどう上手く使うかは、対戦チームや相手のフォーメーションによっても違うだろう。


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