アンチェロッティのゲームプラン: チャンピオンズリーグ リヴァプール戦

ナポリは週末にアウェイで行われたユヴェントス戦で3-1と敗れたが、チャンピオンズリーグのグループステージ第2戦では、昨シーズンのファイナリストであるリヴァプール相手に土壇場で1-0と勝利した。アンチェロッティはどのようにして勝ったのか?

試合のハイライトは(約36MB)↓


戦術をみる前に、アンチェロッティの試合後のインタビューを振り返ってみたい。

「我々は、決してコントロールを失わなかった。常に注意を払っていた。守備では、得点を許さなかった。カウンターアタックからもね。それを期待した試合だった。このチームを毎日見ていて、チームのクオリティを知っている。この勝利のおかげで、もっと精神的に自由になれるだろう。もっと早く得点するチャンスがあったが、ゴールのタイミングが良かったと思う。もう数分早かったら、苦しむ時間がもっと長かっただろう。フォーメーション?いつものように4人で守った。システムは、後ろから変更した。3人のセンターバック、2人のミッドフィルダー、そして、試合序盤を上手く運ぶ為に、マルコ・ルイをワイドに配置した。そうする事で、リヴァプールの強い(守備の)プレッシャーから逃れた。試合序盤は、リヴァプールにボールを持って欲しかった。」

フォーメーション・戦術
アンチェロッティがインタビューで語ったように、ナポリは、右サイドバックに、ヒサイではなく、センターバックのマクシモヴィッチをサプライズ起用した。ナポリのフォーメーションは4-4-2。クロップのリヴァプールはおなじみの4-3-3のフォーメーションだ。

ナポリ
リヴァプール

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アンチェロッティの狙いは、セネガル代表で、ヨーロッパ屈指のディフェンダーであるクリバリを基本的にサラーに当てる事(マリオ・ルイが対応する事もある)、左サイドで積極的に攻撃に参加するマリオ・ルイの裏のスペースをサラーにつかれないようにする事だった。その為、センターバックのマクシモヴィッチを右サイドに起き、バランスを取ったのだ(イラストの通り)。また、マリオ・ルイをワイドに配置する事で、彼の上がりを活かし、リヴァプールのカウンタープレスを逃れるという狙いだった。ナポリの後ろからのボール回しは、3人のセンターバックに加え、ハムシクとアランというパスに長けた2人がボールを素早く回し、加えて、外に開いたマリオ・ルイにパスを出していた。そうする事で、リヴァプールのカウンタープレスの的を絞らせなかった。不用意にリヴァプール得意のカウンタープレスを受けて、失点するよりも、リヴァプールにボールを持たせて、得点機会を伺うといったところだ。

攻撃ではリヴァプールのアーノルドが上がった裏のスペースをつく事が狙いだった。左を重点的に攻めて、逆サイドが手薄になったところをカジェホンが攻めるといったパターンも見られた(写真(下)/オフサイドになったシーン)。また、インシーニェは左に張り付く事が多かったが、そこから中に切れ込んだり、右サイドに現れたりと、ミリクの周りを動き回わり、実質自由に動いていた(フォーメーション的には柔軟で4-4-1-1と4-4-2間といったところ)。ある程度の決まりごとはあるものの、全体的に柔軟な対応だったように思う。

また、守備では、ファン・ダイクやジョー・ゴメスが後方からパス回しをする際、ミリク、もしくは、インシーニェがリヴァプールの中盤の底の選手((ワイナルドゥム→(ケイタ交代後は)ヘンダーソン))をマークし(写真(下)、攻撃を組み立てする時間を与えず、結果として、ロングボールを蹴る事も多かった。
ピッチをワイドに使い、リヴァプールの守備をコンパクトにさせない狙いが下の写真から見て取れる。

スタッツ
UEFAのホームページで
公開している
スタッツを見てみると、リヴァプールはシュート数が4で、そのうち枠内シュートが0と、ナポリに完全に攻撃を封じられていた。一方のナポリは、シュート数16で、枠内シュート数は4だった。ポゼッションはナポリが55%、リヴァプールが45%とほぼ五分五分だった。

 

 

 

ナポリに完全に攻撃を封じられたサラーだったが、試合後、ナポリの選手とユニフォーム交換をするのではなく、監督のアンチェロッティにユニフォームを渡していた。ACミラン、チェルシー、PSG、レアル、バイエルンと有名クラブを率いたアンチェロッティが選手からユニフォームを貰うという、ちょっと珍しい光景である。

 

 

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