カタールワールドカップ vs マンシティ・オーナー!?


カタールは世界で最も裕福な国の1つだ。だが、カタールがテロリズムに資金提供しているとして、UAE(United Arab Emirates)やサウジアラビアが国交を断絶し、一夜にして、カタールに対し、港や空港を閉鎖したのは、20176月の話だ。カタールはロジスティックを港と空港に頼っており、この閉鎖は大きな障害となった。カタールの航空会社と言えば、カタール・エアウエイズ(Qatar Airways)で、以前はバルセロナのスポンサーとしても有名だった。

しかし、カタールによれば、”テロ支援”は表向きの説明でしかない。カタールの見解は、2022年のワールドカップ開催に対する隣国の妬み(ねたみ)に過ぎないというものだ。アメリカがロシアの次のワールドカップ候補地となっていたが、FIFA元会長のブラッターがカタールを候補地に変更した事で、アメリカの怒りを買った事は以前の記事で説明した通りだ。だが、隣国のそうした対応は、妬みだけではなく、政治的な思惑も絡み合っている。

アラブ系メディアのアルジャジーラは、サウジアラビア政府の政策を非難した事でサウジアラビアの怒りを買った。アルジャジーラは、カタール政府の出資により、誕生した報道機関である。また、カタールがサウジアラビやUAEで禁止されているMuslim Brotherhood(ムスリム同胞団)を支持している事を隣国はよく思っていない。こうして、隣国のサウジやUAEは、カタールやアルジャジーラを痛い目に合わせる最善の方法は、カタールが投資しているワールドカップの開催を阻止、あるいは、邪魔する事だと思うようになった。UAEの最高司令官である、ムハンマド・ビン・ザーイド・アール・ナヒヤーン皇太子 は、マンチェスター・シティやシティ・フットボールグループの実質オーナーである、シェイク・マンスール副首相(トップの写真/ All Or Nothingのドキュメンタリーで、グアルディオラがUAEに訪問した時の写真)と兄弟でもある。UAEは、日本で開催されていたFIFA クラブワールドカップの2018年の開催地でもあり、フットボールに力を入れているUAEが嫌っている隣国のカタールのワールドカップを妬み、邪魔するというのも必然かもしれない。

カタール開催をめぐっては、冬の開催や、誘致の不正疑惑、移民労働者の不当な扱いなど、議論が後を絶たない。その報道を煽(あお)っている機関の1つが、Foundation For Sports Integrityだ。だが、この機関は、サウジアラビアやUAEが出資しているのではないかとイギリスのGuardianは報じている。この機関が発信したカタールをめぐる報道はイギリス国営放送のBBCやアメリカCNNなどで取り上げられ、全世界に発信された。カタール報道の全てが嘘ではないだろうが(労働者問題等)、裏では、こうした思惑が絡み合っている事を理解すると共に、報道を鵜呑み(うのみ)にするのはよくないかもしれない。

 

参考記事
Egypt Today
Guardian 他

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